2018年度 理事長所信

 

第45代理事長候補者   吉光寺    政雄

 

1974年の設立以来、継続してきた黒磯那須青年会議所(以下、当会議所)。本年は創立45周年の節目を迎えます。当会議所は、設立から数多くの先輩方を輩出してきました。卒業生の皆様は、当会議所で友情・奉仕・修練の三信条のもと、汗を流し、友情を育み、現在各地各企業でご活躍されています。改めて先輩方のこれまでのお姿に敬意と感謝を申し上げます。

同時に、行政関係、地域の皆様におかれましても、設立以来、当会議所に様々なご支援ご協力を賜ってきたことに、改めて感謝を申し上げます。

近年の情勢は変化に満ちています。米国でトランプ大統領の誕生から各国で民族主義とも言えるナショナリズムの台頭が散見され、英国のブレグジットからEUの結束に綻びが指摘されるようになっています。日本銀行はデフレ脱却を目指して、金融緩和を継続していますが、いまだ出口が見えないトンネルの中にあります。少子高齢化の進展は、生産年齢人口の減少を意味し、雇用、消費、納税、地域の継続可能性などにリスク要因として認識されています。

1949年9月、日本の青年会議所は社団法人東京青年商工会議所(現東京青年会議所) の設立趣意書から始まりました。曰く、

「新日本の再建は我々青年の仕事である。」

「今日の日本の実情は極めて困難に満ちている。」

約70年前の状況は、現在にも通じるところがあります。

変化の激しい、困難な時代に、当会議所は、なにを為すべきでしょうか。

 

~メンバーの皆様へ~

 

1.理念    『継続は力~継続するために変化する』

私は2018年度のテーマとして、継続と変化を設定します。

 

継続は力

 

人も組織も、様々な仕組みも、地域も継続することで生まれる価値があります。どのような価値でしょうか。信用、周知、蓄積、習熟、等です。

 

継続するには?=未来を見つめる

 

 

この視点は、目の前のことに偏りがちな私たちの目線を未来へと向けてくれます。1年後、5年後、10年後、さらにその先の未来のために、今為すべきことを為しましょう。私たちは、一時の感情や、目先の利得、過去の成功体験などに囚われて、判断(ジャッジ)に迷うことがあります。港に係留する船、船が波や風に流されない為の錨(いかり)。継続を志向することは、私たちの心の錨(いかり)となり、真に大切なこと、明るい未来を照らしてくれます。

他方、継続に対して無常という言葉があります。無常とは、常なるものは無い、万 物は栄枯盛衰のサイクルをたどり、かたちあるものは必ず無に帰すという考え方です。

継続と無常。その間に変化があります。時間が経過し、人が変わると、当初から様々な変化が生じます。変化に適応できないと継続が困難になります。この点、進化論を著したダーウィンは、次の言葉を残しています。「最も強いものは滅んだ。最も賢いものも滅んだ。変化に適応してかたちを変えたものだけが生き残った。」

青年会議所では、積極的な変化の能動者たれと教えます。変化を機会(チャンス) と捉え、事前に察し、準備し、楽しむことで継続の途を目指しましょう。

 

変化→継続≠無常

(変化するから継続できる。無常との闘い)

 

2.会員拡大    継続する為に

現役メンバーは40歳を以て卒業します。毎年卒業生が存在する団体だからこそ常に新しいメンバーを迎える必要があります。新しいメンバーは組織に変化と活性をもたらしてくれます。既存のメンバーと新しいメンバーの融合は、新たな化学変化を起こし、この地域を明るく豊かに照らすと確信しています。

新しいメンバーを迎えることは、地域に同志が増えることです。これは、青年会議所が目指す、明るい豊かなまちづくりへと通じる道です。

新しいメンバーを迎えることは、私たちの最大の喜びです。共に学び、事業を通じ、信頼と友情を育みます。

2018年度当会議所は、10名の会員拡大を目標にします。

 

3.継続企業の研究=日本型経営

当会議所のメンバーの多くは、経営者またはそれに準じる方たちです。経営者の仕事は何でしょうか。私は、判断(ジャッジ)を行うことと考えます。社会の動き、地域の変化、市場(マーケット)やお客様、お取引先など様々な変化を的確に捉え、一つ一つの判断(ジャッジ)の精度を高めることが経営者には求められます。

企業の目的は利益であるという考え方があります。果たして本当でしょうか。近視眼的に、目先の利益を追求するあまり継続することが出来なかった企業を私たちは知っています。利益をあげることが問題ではありません。そもそも、利益が無ければ企業は継続できません。利益のあげかた、途中経過のプロセスが問われるのです。例えば、お取引先に無理な値下げを要求したり、社員さんにサービス残業を強制したり、お客様に嘘をついて数字をあげること。しかし、そのようなことは継続できるでしょうか。

長く継続してきた企業は、老舗と言われます。老舗には、信用や知名度、技術の蓄積が備わっています。また、日本ほど老舗企業が多い国は無いと言われています。老舗企業は、お客様の愛顧、社員の満足、お取引先の信用のもとに成立します。

日本型経営とは、老舗企業に学ぶ継続の仕組みです。

 

継続≧利益

(利益は継続の為に必要。但し、目的ではない。継続は利益よりも価値がある)

 

2018年度当会議所は、日本型経営の研究と、継続するための判断(ジャッジ)の精度を高めることを目指して活動します。

 

4.変化への対応    人口減少社会を見つめて

2014年、2040年に全自治体の約半数にあたる 896 市町村が消滅の危機に直面するという本が発表されました

(増田寛也    『地方消滅    東京一極集中が招く人口急減』      中公新書    参照)。

本書が指摘するところでは 2040 年に継続が困難となる自治体として、県内で那珂川町、日光市等とともに、那須町も該当しています。少子高齢化と、その先にある人口減少社会。私たち、或いは私たちの子供達が生きる時代、この地域はどうなっているでしょうか。

明るい豊かなまちづくりを目指す青年会議所。人口減少問題を深く見つめ、自分のこととして理解し、その上で解決の一助となる事業に取り組みます。

 

人口減少社会(変化)→地域の継続

(高い確率で来る人口減少社会。問題を意識し、事業を通じて地域の継続を志向する)

 

2018年度当会議所は、人口減少社会に向けた知識の習得と、対策の一環としての事業に取り組みます。私たちの子供達の未来、この地域の未来を熱く語りましょう。

私たちの事業は、例えれば湖に投げる小石の一つかもしれません。しかし、小石でも湖に投げれば波紋となり、やがて多くの方々を巻き込んだ運動となることがあります。大きな志を抱いて事業に取り組みます。

 

 

5.継続事業の価値

2018年度は、継続事業、対外との共催事業が予定される一年です。那須野ふるさと花火大会、栃木ブロック協議会とちぎフォーラムです。

why(なぜ)?を突き詰めると、how(どのように)?の答えとなります。同時に、why(なぜ)をしっかり考えることは、私たちが迷い、焦ることに対する錨(いかり)となって、動揺を鎮め、メンバーが一丸となって事業に邁進する羅針盤となります。

継続事業→why(目的)→how(手法)→次への継続

(過去からの継続の価値を感じる。目的を共有し、実行することで次回へつなげる)

 

花火大会の大会理念は、

「このまちの将来を託す子供たちに夢と感動を与えるために」

「このまちが心から愛せるふるさとであるために」

「このまちが明るく心豊かなまちであるために」

花火大会は、那須塩原市商工会青年部、那須町商工会青年部との共催事業です。各団体と目的を共有し、友情を深め、次回へつなげる花火大会に致します。

 

とちぎフォーラムの大会趣旨は、

「ブロック内会員会議所が共同で取り組むべき広域事業推進の為の会員への啓蒙・研修及び提言の場とする」

とちぎフォーラムは、県内 11 の青年会議所が回り番で開催しています。次に当地で主管するのは 11 年後の予定です。11 年に一度の祭典。地域の方たちに黒磯那須青年会議所の名を広め伝えるのに、これ以上の機会はありません。

対外事業は、青年会議所運動の一環として、メンバーの皆さんが成長できる機会です。積極的に参加することで、自己研鑽の機会とします。互いに役割を分担し、負担を軽減し、汗を流し、友情を深める絶好の機会と捉え積極的な取り組みを行います。

 

結びに    この地の青年として     JCに集いJCを越える一年

冒頭で申し上げましたが、いつの時代も変化の激しい困難な時代です。

「不景気だから売れない」

「デフレ時代だから単価が落ちて苦しい」

「少子高齢化で人口が減るんだから将来は暗い」

当会議所メンバーの多くは、家庭の、地域の、各企業のリーダーです。リーダーが下を向いて愚痴を言っていては、周囲の方たちも暗く、不安な気持ちになります。当会議所メンバーは、困難な時代だからこそ、明るい豊かな黒磯那須地域の未来を語ります。その実現に向けた事業を行います。

メンバーの皆様は、JCの内部ルールを学ぶことを目的にしてはいけません。その先に、明るく豊かな未来、黒磯那須地域、自社、家族、皆の笑顔を描きましょう。JCの学びは、家庭や地域、企業に持ち帰れるツールが満載です。

本年当会議所は、この素晴らしい集いを、メンバーの皆さんや関係する諸団体の皆様と、ともに楽しみJCに集い、JCを越える(JCの学びを自社や家庭に持ち帰る、JCの運動を通じて地域に奉仕する)一年にします。

行政関係の皆さま、地域の皆さま、県内各地青年会議所の皆さま、OBの先輩方、そして現役メンバーの皆さま。一年間ご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、所信とさせて頂きます。